2013年11月8日金曜日

自炊から見える日本の「黒い雲」、道州制にて晴れるか?

昨日、本を裁断して自分でスキャン、デジタル化するという高城剛さんの自炊セットを紹介しました。
その出所の《自分の著作もこれでデジタル化》という個所に考えさせられるコメントがありました。
「それにしても変な話で、出版社はデジタル原板があるのに紙の書籍だけを世に出し、僕は、その紙の書籍を購入してデジタル化する作業を行っているというのは、今の日本のいびつな構造そのものを指し示していると思います。もしも、あと5年、僕がこの自炊セットを使い続けているようでは、日本のいびつな構造がまだまだ解消されていないことに他なりません。モノから考える社会学として考察すれば、まるで「黒い雲」のような日本の閉塞感は、今よりも、さらに重くなっていることでしょう。」
これは、なんとなくわかる気がします。
大前研一さんも『クオリティ国家という戦略』という本の《道州制でクオリティ国家を目指す》にて同じようなことを次のように述べています。
「道州制が実現し、それぞれの道州がクオリティ国家となった場合、そのリーダーである首長が、一種の大統領的な権限を使って、改革を断行する。内外のしがらみでがんじがらめとなり、意見を聞くだけに終始し、決断をして前に進めない中央政界を「オーガナイズ・スモール」し、中央から地方に権限委譲して自立していかなければ、日本を覆う長期低迷から脱することはできない。
(中略)
 そうでなければ、どれほど首相が代わり、政権が代わっても、現在の「中央集権+議員内閣制」の仕組みのままでは、改革は進まない。何より、スピードがない。」
これを読んでいて、なぜ道州制が必要なのかがようやくわかってきました。
クオリティ国家を目指すには日本全体だと大きすぎるので、小回りの利く道州制にして、それぞれの道州が地域性を活かした戦略を立て、シンガポールやスイスや北欧諸国のような自立したクオリティ国家を目指して追いつき、日本全体を底上げして、日本を復活させようということだと思います。
確かに、大ナタを振るわなければ、この日本はさっぱり変わりそうにありませんからね。
大前研一さんはシンガポールなどがクオリティ国家となり得た理由を分析して次のように列記しています。
○自国市場が小さく、世界市場で稼ぐしかなかった
○世界市場で、低コストで攻めてくるボリューム国家には、イノベーションやブランドなど高付加価値産業で対抗するしかなかった
○自国に、資源や強い産業がなく、国外から企業、技術、資金を呼び込むしかなかった
○唯一の資源である自国の人材を、世界で戦える人材にするしかなかった
○国の規模が小さいために、産業構造を大胆にシフトさせることが可能であった
橋下徹市長が道州制を目指していたようですが、政界に巻き込まれて、その後進展していないように見えます。
果たして、日本は道州制に移行して「黒い雲」を払うことができるのでしょうか。

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