2014年6月9日月曜日

植島啓司著『官能教育』、これからの新たな男女関係の模索

植島啓司さんの『官能教育 私たちは愛とセックスをいかに教えられてきたか』という本を読み終えたとき、ほんとうに衝撃を受けました。
まずは、まさにこの世の中はそのとおりだな、と思ったしだいです。
ブックカバーには次のような紹介文が書かれています。
〈日本人はなぜこれほど不倫に厳しくなったのか?妻・愛人・女友だちの三人を必要とした古代ギリシアの男たち。夫承認のもと、若い恋人と戯れた十四世紀フランスの妻たち。たいていの妻に愛人がいるエチオピアのボラナ族。いまでもこの世界には、一夫一妻制度におさまらない社会が広く存在する。時代によって愛の価値観はいかに変化してきたのか?世界の結婚制度、不倫の歴史とは?数々の民族調査、芸術作品を例に挙げながら、男女の豊かな関係を探る画期的な書。〉
そして、「はじめに」は次のような問いかけから始まります。
〈多くの人を愛することはだれにとっても好ましいとされているが、そこに性的意味合いが加わるとなかなかそうはいかなくなる。そういう垣根を越えたもっと豊かな人間関係はどうしたら築き上げられるのか。本書は、不倫など社会的ルールをはずれた愛情関係を可能にする社会はいかにして可能かという問いからスタートしたい。p4-5〉
それから、次のような模索提起があります。
〈これまで人々を苦しめた愛情関係をまとめてみると、友人との三角関係、嫉妬、妬み、嫌悪感、別れの悲しみ、片思い、不倫関係など、それらの多くはある程度自由な愛情関係を社会が認めることによって解消できるかもしれない。もっと進んだ関係性が容認されるようになると、さらに望ましい人間関係が可能になるのではないか。これまでの硬直した「夫婦」「恋人」「愛人」「友人」などの概念にも大きな変化がもたらされる可能性があるように思えるのである。p84〉
さらに、続きます。
〈人間にとってセックスは本来もっとも祝福すべき事象の一つであろう。それをムリに抑圧し、偏狭な道徳規範のもとに閉じ込めようとすると人の不幸の大きな原因となる。いかなるものであれ、愛を断罪することはけっして好ましいことではない。できるだけ人々が多くの愛に包まれるようにしなければならない。それには果たしてどのような道が可能なのだろうか。p125〉
これを読み終えたとき、刺激されていろいろな考えが浮かんできました。
人生80年の時代ともなると一夫一妻制を見直してみてもいいのではないか?
子どもたちが独立したら、夫婦関係も見直してみては?
今の夫婦関係を継続するもよし、リセットして別の伴侶を探すもよし、一人で生活するもよし、といろいろな選択ができるようにしてはどうだろうか?
6月5日付の読売新聞「顔」の中で坪谷ニュウエル郁子さんが次のように語っていましたから。
〈多様性と選択肢のある社会は人々を幸せにする〉
人間を暗黙の内に押さえつけるような縛りを解いて自由な交際を推奨するようにしてはどうか?
我々老人が善悪という価値観から解放されて胸のときめくようなオープンな男女交際が認められれば、元気に生き甲斐を見出して生きていけるのではないか?
さすれば、医療費も軽減され、痴呆症も減らせるのではないか?
などと他愛ないことを考えてしまいましたわ!

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