2014年3月11日火曜日

住宅の設計士とは、かくあるべきか!

久保田紀子さんの本「さらに「いい家」を求めて」に設計士についての資質について松井修三さんの考えが述べられています。
「住宅を設計する資質について」
『「住宅の設計をするのには、最低限次のような資質がなければなりません。まず感受性が優れていることは当然のことですが、想像力が特に必要です。一枚の方眼紙に描かれる平面プランを三六五度の角度からと三次元に見ながら、四季折々、朝昼晩の光と風を、寝転んだり、座ったり、歩いたりして感じ取るのです。さらに、住む人になりきって生活体験をすべての場において入念に繰返します。その時に、空気温度、輻射温度、湿度そして臭いと音も適確に想像できなければなりません。床下、壁の中、小屋裏という日常は目にすることのない部位についてもです。
そしてさらに、住む人たちの一〇年後、二〇年後のその家との関わり合いを想像していくのです。そこには当然メンテナンスのことも含まれます。
ただ単純に間取りを考えるだけでは、これまでの家と何ら変わりなくなってしまいます。間取りがよく、機能的にも使いやすく、デザインとインテリアがすばらしくても、寒くて、暑くて、カビ臭くて、住み心地が悪い家がこれまでの常識であったわけですから、そのレベルから抜け出して感動的な住み心地を得るには、そのために役立つ設計力が求められるのです。
これから住宅の設計士と称するからには目、耳、鼻、皮膚の感覚が人並み以上に鋭敏で、温度、湿度、気流を一〇%程度の誤差で感じ取れる能力が必要です。安全性、耐久性、省エネルギー、健康性への配慮は当然のことです。まずはそれだけの資質を前提にして、プランニング能力が問われるのです。
ところが実際には、あまりにも感受性と生活体験に乏しく、不勉強で自己満足的な設計士が多いのです』
これは、なんとすばらしい言葉でしょうか。
設計士だけではなく、家を作ろうとする者にもこれは必要な資質だと思います。
このような感性と生活体験を持っていないと、いい家が手に入らないようにも思います。
けいじもこのような資質を身につけるべく努力してみたいと思います。
さらに住まいについての、すばらしい言葉をその本の中から紹介しましょう。
「住まいとは、幸せの器である。住む人の幸せを心から願えるものでなければ、家造りに携わってはならない」
「住み心地を問わない建物は事務所か倉庫である。住み心地こそが、住宅の根元的な価値である。間取りや、設備やインテリアがどんなに気に入ったとしても、住み心地が悪かったら何にもならない」

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