2016年8月4日木曜日

ドミニック・ローホさんの『屋根ひとつ お茶一杯』、『中村好文 小屋から家へ』、究極のエコハウス(庵)に向けて

ドミニック・ローホさんの本『屋根ひとつ お茶一杯』(講談社)に「小さな家」の名手として中村好文さんの作品が紹介されていました。
★最初は空のバードハウスのようだったこの家は、じきに快適で甘美な隠れ家のようになります。なぜなら最も重視したのが「居心地のよさ」だったから。
★室内はヨットの内部のようにすべて組み込み式で、洗濯機からファックス、電話まで、揚げ床の下に収納されているため、室内は何もない状態なのです。
★この家は素朴で、上質のもののみが置かれているという意味では、昔の日本や中国の教養人が隠居した草庵を思い出させます(恐らく住人は私物のほとんどを整理したかもしれまぜん)。
★寝そべってくつろぐためのコーナーがいくつか設けられ、まさしくここは想いにふけったり、読書したり、友と語り合ったり、昼寝をしたりしてエネルギーを満たすのにふさわしい場所でしょう。
これに刺激されて、図書館のホームページで中村好文さんを検索してみました。
今、『中村好文 小屋から家へ』(TOTO出版)を借りて読んでいます。
ドミニック・ローホーさんがヨーロッパの旅で訪れたい著名人の家を紹介しています。
・モーパッサンもよく訪れたと言われる、『ボヴァリー夫人』の著者ギュスターブ・フロベールのクロワッセにあるパビリオン。
・ランボーと並ぶフランスの代表的詩人マラルメが晩年過ごした小さな館。
・ブルターニュ地方のヶネス・ホワイトの家。
・南フランスの有名なル・コルビュジエの小別荘。
・モスクワの木造の文豪トルストイの家
・ノルウェーのトロールハゥゲン(「妖精トロールの住む丘」という意味)に建つ作曲家グリーグの家など
◆このように著名人の家を見学してみると、いかに素朴なつくりであっても、家がどれだけそこに住む人間にエネルギーをもたらし、その人たちに生き生きとしたインスピレーションを与えていたのかがわかるような気がするのです。
中村好文さんも同じように世界各地にある「名のある小屋」を積極的に訪ね歩いてみたようです。
・アルヴァ・アアルトのサウナ小屋
・パーナード・ショーの自宅の庭にある回転する執筆小屋
・南仏にあるル・コルビュジェの休暇小屋
・シェーカー教徒の小屋
・高村光太郎の小屋
・猪谷六合雄(いがやくにお)の小屋
・復元ではありますが鴨長明の方丈
・ヘンリー・デイヴィッド・ソローの小屋
・立原道造のヒアシンスハウス
・アッシジでは聖フランチェスコが住んだといわれる小礼拝堂(ポルツィウンコラ)を実測
◆小屋で暮らしていると、食事の支度をするにしろ、大工仕事をするにしろ、いつの間にか、五感をフル稼働させ、頭よりは手と身体を使っていることに気づきます、暮らしの中で創意工夫する習慣が身に付いてくると、眠っていた生活者としての能力が呼び覚まされ、生活の知恵がじわりじわりとわき出してくるのを感じるのです。
安易に手に入る便利さや快適さが、人間本来の能力を退化させてしまうことに気づき、危機感を感じはじめたのは、小屋暮らしをはじめてからです。
『中村好文 小屋から家へ』には堀江謙一さんのマーメイド号の話がでてきます。
実際に中を見学して撮影までしてきたようです。
堀江謙一さんがマーメイド号に積みこんだモノまで記載されています。
確かに究極の小さな家を実現するにはマーメイド号は最高の見本ですよね。
94日間かけて日本からサンフランシスコまで航海したのですから。
ル・コルビュジェさんの『小さな家』(集文社)という本も届きました。
次々に導かれつつあるようですわ。
究極のエコハウス(庵)に向けて。
有り難いことです。
ありがとうございます。

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