2018年1月26日金曜日

寒波が関東を襲う、アブラムシ退治に羽を樹脂で固めたテントウムシ、この記事を「編集手帳」が料理して春先へといざなう

2018年1月20日(土)の読売新聞千葉版に目を見張る記事がありました。
次のような見出しに。
「飛べぬテントウムシで除虫」
「環境に優しい農業」
【高校生開発の技術 羽を樹脂で固定」
千葉県立農業大学校(東金市)が、野菜や果物などに付く害虫アブラムシを食べる「飛べないテントウムシ」を商品化し、今月から販売を始める、というのです。
県立成田西陵高校の生徒が開発した、羽を樹脂で固めて飛べなくする技術を利用したもので、農薬の使用を減らす害虫防除の手段として期待されている、というわけです。
この段階では、なんとかわいそうなことを、と一瞬思いました。
最後まで読んでみると、次のことばになんとすばらしいことか、と変わっていましたわ。
●繁殖能力などに影響はなく、樹脂は約2か月で自然にはがれ、再び飛べるようになる。
●同校は「今まで命を落としていたテントウムシを活用する」としている。県内の農場で採集した個体を使い、使用も県内に限る。
●当面は農家を対象に、10匹500円で販売する。同校は「この商品を活用し、自然の持っている力を借りた環境に優しい農業を、県内の多くの農家に取り組んでほしい」と期待を寄せる。
1匹あたり1日約100匹のアブラムシを食べるというから、スゴイじゃないかと思っていました。
すると、今朝の「編集手帳」でも採りあげていました。(20180126金)
◆少々ドキリとする記事をヨミウリ・オンラインで読んだ。千葉県立農業大学校が「飛べないテントウムシ」を商品化し、農家への販売を始めるという
◆樹脂で羽を固めるのだと。一瞬凍りつきそうになるけれど、ご安心を。樹脂は約2か月で溶け、再び飛べるようになる
◆朝露に潤んだ葉っぱの上をのそのそとはい回る姿が似合う昆虫である。しばし飛べずとも、アブラムシを1日100匹ほおばる大食漢には悪い話ではなかろう。身近な生き物に温かな視線を注いだ詩人、まど・みちおさんの詩を思い出す。<てんとうむしに みみすまそう みみすまそう/きこえてくるかもしれないよ/ちいさな ちいさな にじのうた>(「てんとうむし」)
◆カレンダーがあと一枚と少しめくれたころだろう。道草のなかにカラフルな背中をさがせば、春の歌が聞こえよう。
なかなか良い記事に出会えました。
「編集手帳」はほのぼのとした「てんとうむし」で締めくくってくれました。
寒い日が続いていますが、まど・みちおさんの誌で、ほのぼのとした温かい気持ちになれましたわ。
有り難いことです。
ありがとうございます。

0 件のコメント: