2016年4月13日水曜日

建築家 伊東豊雄さんの「自然を使う家 取り戻す」、共感を覚える

4月6日の読売新聞に目に留まる記事がありました。
『[想う 2016]自然を使う家 取り戻す…建築家 伊東豊雄氏 74』
世界的建築家、伊東豊雄さんは大震災の前から、20世紀以降の近代主義的な建築思想 ー 自然と人の暮らす場を切り分け、建築の内と外を隔て、建築内部では部屋と部屋を機能に応じて切り分ける思想 ー に疑問を感じます。
✖明治以降、日本人は一斉に近代化に向かった。人々はモダンな暮らしにあこがれて都市に集まり、住まいに家電製品を次々と取り入れるようになる。住まいは自然から切り離され、人工的な環境になった。
✖近年、都市で人々の意思疎通は閉ざされがちだ。人々は孤独になっている。少子高齢化が進み、お年寄りの孤独死が増えている。モダンな暮らしはエネルギー消費の点でも問題に直面している。
✖明治初め日本の人口は約3500万人だった。近代化は人口増と共に進み、画一的住居が都市に量産された。均質な住まいはヒトを均質にし、自然に閉じた暮らしはヒトの力を損なうのではないか。
そんなことから、伊東さんは次のような問題意識を抱きます。
❓日本人は生き方を変えるべき時期に来ているのではないか。
❓自然に開かれた住み方へ転換すべきではないか。
そこで、昔の日本人の住まい方に言及します。
◆明治以前の日本の住宅は風を入れ、光を入れ、通風採光に留意してきた。日本人は自然をうまく利用して生活を営んできた。連続性が日本建築の特徴だった。
として、明治以降ひたすら近代化にまい進してきた日本人にとって、大震災は伝統的な暮らしや自然とのかかわり方を振り返り、考え直す契機でもあったと指摘しています。
伊東さんは近代以前の日本建築の特徴だった、内と外の連続性、部屋と部屋の区切りの曖昧さを意識した「みんなの家」の教訓を土台として瀬戸内海の島づくり(庭園都市づくり)に参画しているようです。
次のことばに希望の糸口が見いだされるように思いますわ。
◇大三島の経済力は東京に劣る。だが、豊かな自然があり、時間の流れ方はゆったりしている。ある意味、大三島で暮らすことは幸せかもしれない。
◇経済最優先という枠を外せば、豊かな暮らしは日本にまだまだある。
これは、けいじが目指しつつある暮らし方につながるように思いました。
有り難いことですわ。
ありがとうございます。

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