2010年10月3日日曜日

山田朱織先生のアドバイス(1)

前回に続きまして、山田朱織先生の本から腰痛対策の
アドバイスを紹介します。
「あらゆる病気や症状には『姿勢』が大きな影響を与えている」
 ただし、一見関連性がないように見える病気や症状なのに、実はその原因が
「姿勢」にあったり、姿勢が原因の病気をより悪化させたりしていることが多いと、
私は気づいたのです。つまり、「姿勢が健康を決める」「悪い姿勢が病気を招く」
ということですね。
「起きているときの姿勢」と「寝ているときの姿勢」
 起きているときは覚醒しているので、自分で姿勢を決めることができますよね。
いい姿勢で立とうと座ろうと、逆に悪い姿勢で立とうと座ろうと、すべて自分で
決めるものですし、意識して悪い姿勢を正すことができます。
 逆に、眠っているときは自分で姿勢を決めることができません。ですから、
身体を預ける枕や寝具選びですべてが決まってしまいます。
 さらに起きている状態は、身体を動かしているときと、じっとしているときとに
分かれます。
 たとえば立って歩いたり、中腰で作業をしたり、起き上がったり……そんなふうに
動いているときは、人間の身体は意外に問題がないもの。患者様のおばあちゃん
たちが、よくこんなふうにおっしゃいます。
 「私はね、歩いているときは何ともなくて大丈夫なの。でも待合室でじっと
座って待ったあと、さて立ち上がろうとすると、足や腰が痛くて立てないのよ」
 実はそのとおり。動物=つまり動くものにとっては、じっとしていることのほうが
非常に不具合。そういうときに血流が滞ると、痛みのもとになる発痛物質が停滞し、
痛みが起こるのです。
 おまけに、立ち上がるときなどエネルギーを要する動き始めは、痛みが爆発的に
起こるタイミング。朝、目が覚めて起き上がり、急に靴下をはいた瞬間にぎっくり腰が
起こったりするのもそのためです。
 ですから、まず目覚めているとき、特にじっとしているときの姿勢を正して、
痛みや症状、病気を防ぐようにしましょう。
 ただし、椅子に座る場合も、背中や腰が丸まっていては意味がありません。
椅子に座るときは体軸を一本まっすぐ通して、身体をすべてそれにきちんと
乗せることがポイントです。
 体軸を通すためには椅子の背もたれにいっぱいに腰をつけ、骨盤の上に背骨が、
背骨の上に首が、首の上に頭が乗るように、まっすぐストンと座ること。
ピンと一本糸を張ったように、重心が通る体軸に身体を乗せることになります。
 背もたれなどを使わずにピンと背筋を伸ばして座ることがお行儀いいと
思っている方も多いでしょうが、身体のためには何かにもたれる他力本願も大切。
無理に自分の力を使わず、何かに身体を預けながら体軸を通して座るほうが
いいのです。
 もしも、椅子の背もたれに曲線があったり、素材が柔らかかったり固かったり
して体軸を通しにくかったら、そのままもたれるのでなく、工夫をすることが必要。
体軸が通るように曲線の隙間にクッションを詰めたりして、整えてあげましょう。
 そんなふうに昼間の姿勢、夜の睡眠姿勢を整えてあげることが、病気知らずの
健康な身体への大きな第一歩なのです。
(山田朱織著「病は寝ている間に治す!」より)

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